じゃーん! パパパパー パパパパパパ パパパパパパ パパパパーン パパパ・・・ スターウォーズのテーマ曲をMitchell and Johnsonヘッドフォンで聴いてみました。 文字でフレーズを表現するのは難しいです・・・。パパパパパパなのかタカタタカタなのか。 まあ、音について文字で表現すること自体難しいですけども(笑) 初めてこのブログをご覧になる方のためにあらためてご紹介いたしますと 向かって左からJP1、MJ2、MJ1、GL2、GL1です。(製品名をクリックすると製品ページに飛びます) 一応このブログはMitchell and Johsonヘッドフォンのためのブログなのですが、私が映画音響の仕事を兼任しているため、音のかかわる事、製品、映画館の椅子、なども同時に文字にさせていただいています。 既にご存知の方にはしつこいかもしれませんが、このヘッドフォンはコンデンサー型のドライバーとダイナミック型のドライバー(ドライバー=スピーカー)がユニットになっているヘッドフォンです。 オーディオにお詳しい方ならご存知かと思いますが、一般的にコンデンサー型のスピーカーやマイクロフォンを駆動させるためには外部からの電源が必要なのですが、Mitchell and Johnsonヘッドフォンはセルフバイアス(自家発電?)式なので、スマートフォンのヘッドフォンジャックに直接つないでお使いいただけます。 このハイブリッド・ドライバーはコンデンサー型ドライバーが高音域を、ダイナミック型ドライバーが中音~低音域を担当している、スピーカーで言うところの2Wayユニットになっているので、映画館用のスピーカーに似てる?ってことで、最近映画館で聴いた「スターウォーズ」のテーマ曲を聴くとどんな感じなのかを試してみました。(さらっと) ちなみにMJ1は現在とあるアニメ作品の音響関係の方へお貸出ししていてお留守です。 このモデルは一番軽量でスマホのコントローラーがケーブルに仕込まれているタイプで、もっともポータブルなヘッドフォンです。音はどちらかというと低音寄りです。 SWテーマを聴いてみたところ、オーケストラのコンバスやティンパニーの低音が聴こえやすかったです。高音域は「そこそこ」な感じです。 みんな大好きGL2です。一番人気製品です。 このモデルも比較的軽量でポータブル向きです。私も使っています。 SWテーマの試聴感想ですが、まあ想像通りでした。低、中、高音域全体的にバランスが取れていて、飛び出てくるものが無いですね。 あと、GL1で聴いた時よりステレオ感がありました。響きが増えた感じです。これはGL1よりも極高域が延びているからかもしれないですね。あと木製のハウジングとプラスチックのハウジングの違いかな? MJ2はGL2より価格帯が倍になりまして、木製ハウジングでチェリーウッドになります。あと、ケーブルが左右から出ます。(雑な紹介) 弦楽器の高い音域のフレーズはMJ2が一番好みでした。バイオリンの細かい音が良く聞こえてきました。周波数特性がGL2よりも延びているためと、チェリーウッドのハウジングが比較的高音域の響きに良い響きを与えているからかもしれません。あとGL1、GL2より装着時の密閉感が高いので、没入感もありますね。 JP1はDJプレイにも使えるようにデザインされていて、右耳のハウジングが跳ね上がります。 基本的にMJ2と同じ設計なのですが、MJ2ほどの密閉感がありません。理由はDJやライブハウスでJP1を装着しながらホールで流れている音も聴こえるように設計されているからです。正直通勤時の仕様には向かないかもしれません。ただ、反面独特の「空気感」があります。 SWのテーマを聴くと、MJ2よりもコンバスや打楽器の低音パートが響きを持ちながらパワフルに聴こえてきます。さすがDJモデルだけあって低音が強めです。 MJ1を除くすべてのモデルでテーマ曲だけを試聴した感想としては、GL2とMJ2が気持ちよかったです。GL1とJP1はちょっと低音域が強めだったのですが、その分柔らかく感じましたね。
ですが ただ、その後YouTubeで検索したスターウォーズの本編劇中の動画をいくつか試聴したところ、圧倒的にJP1が良かったです。 ライトセーバーの音余韻や戦艦の中でふわふわと漂っている低音等はJP1で聴くと「あらあら、こんな感じなんだ」と面白かったですね。 今回の試聴のようにシーンによってヘッドフォンを替えるわけにもいかないですから、私なら映画鑑賞用にヘッドフォンを買うならJP1のような低音をしっかり出してくれるヘッドフォンを選びます。 ここでいう「しっかり」とは周波数特性的に低音を出して来るということではなく、低域のレスポンスと左右の位相特性が良いという意味です。なぜなら映画の音はサブウーファーという低音担当のスピーカーから鳴らす単独のチャンネルのための低音成分が含まれているからです。 L、C、Rにもの低音成分が多く含まれているシーンでサブウーファー用の音が加算された時に、レスポンス良くかつ位相特性が良くないと「もわっと」した低音しか出てこなくなり、音楽やセリフの邪魔になってしまうことがあります。 高音域については、もともと映画の音・・・特にDolbyのサウンドトラック形式が採用されている作品のマスタートラック(一番最初に録音された、その作品の基本となるサウンドトラック)においては、基本的に20kHz以上の音は録音されていません。映画館の再生特性はそこまで延びていませんので、せいぜい16kHz位です。ホーム用コンテンツにはマスタートラックのダイナミックレンジと周波数特性を若干修正している場合もありますが、少なくともハイレゾではないと思います。なので、スピーカーやヘッドフォンの高音域の特性が延びていなくとも、私はあまり気にしません。 しかしながら高音域についても位相特性は大切で、位相特性が良いヘッドフォンほどサラウンドチャンネルの音の情報を感じることができます。高音域に逆相成分が多く含まれるほど、後頭部から音が聴こえてくる印象を受けます。「なんかふわふわした感じの音」は耳が受け付けている逆相成分が多い場合が多いですね。(この辺は説明が長くなるので割愛させていただきます) 音楽鑑賞と違って映画鑑賞をヘッドフォンで試してみると、ダイナミックレンジが広い分、そして視聴時間が長い分、得意、不得意が出やすいと思いました。一曲5分で判断するか、2時間で判断するか、だいぶ違いますね。2時間着けっぱなしでも疲れない事も重要ですしね。 スターウォーズのテーマ曲と本編部分を聴いて、Mitchell and Johnsonヘッドフォンのハイブリッドドライバーユニットが低音域から高音域にかけて「良い仕事」をしてくれていることを、あらためて感じることができました。!(^^)! はい、ご無沙汰してますMitchell and Johnson担当のかわひーです。 椅子の展示会やら映画音響の仕事やらで、12月になってブログの更新やツイッターのつぶやきもままならず、ポタフェスにも参加せずで・・・ 皆さんとの楽しいトークができなかった事が最も心残りです。 そんなことで、この週末私が何やってたのか、ご報告です。 皆さんご存知の通り、先週末に「スターウォーズ/最後のジェダイ」が公開となりました。 公開に当たり、ある映画館の音響コンサルタントのご依頼をいただき、行ってまいりました。 実は私、Dolby社の映画サウンドコンサルタントという仕事もしておりまして、もともと音響の道に入ったのもサウンドコンサルタントとしてなんです。実は、日本に私一人だけだったりします。 何をするのかというと、Dolby社の映画音響技術を採用してくださった映画の音作りをする際のDolby社のツールを使用する際の技術サポートや、映画の音作りをするダビング・ステージ(映画の音を作るスタジオ)や映画館の音響の再生環境を適切な状態にするなど、映画の音にかかわる多方面に対してDolby社の技術を提供する役割をしています。 映画はダビング・ステージと言われる、映画館を想定して設計されたスタジオで音作り(演出を録音)が行われます。感動させたりド迫力のシーンで楽しませたり、役者さんのコミカルなセリフで笑わせたり。 映画はダビング・ステージで創り上げられた音響演出を観客に提供します。感動させたりド迫力のシーンで楽しませたり、役者さんのコミカルなセリフで笑わせたり。 ここで一つ、作る環境の音響特性と再生する環境の音響状の再生特性の「基準値」が違ったらどうなるか? このブログをご覧になっている「音」について興味深々な方ならお分かりになるかもしれませんが、それはもちろん「演出の再現」には及ばなくなります。極端に言えば、感動しなかったり迫力の無いシーンになったり笑えなかったり。 そのため、ダビングステージも映画館も同一の音響特性を採用しています。 この音響特性は今から30年以上も前にDolby社が提唱したもので、現在では映画館とダビングステージの殆どの再生特性は、Dolby社が提唱した音響特性の基準に準拠しています。なので、基本的なスタートラインは作る環境も映画館も同じ「基準値」です。 さらに、映画は部屋に置いてあるスピーカーから大勢の観客に対して音を「提供」します。 観客は自分の好みによって音量を上下させたり音色を変えたりすることはできません。 なので、映画の音作りは「多くの観客に対して適切な」演出していきます。 だからこそ、それが映画館でも適切(基準値に従って)に再現されているかが非常に重要なんです。 制作側は、感動的なシーンでは「感動を与える演出を録音」し、迫力のあるシーンでは「迫力のある演出を録音」していきます。それらが映画館で「再現」されなければ「演出」しきれなくなります。もちろん、演出がすべての人に対して同じように提供できるかというと、聴く人のコンディションによっても異なります。この点は非常に難しいですが、できるだけ「多くの観客に対して適切な」演出ができるよう、ダビングステージの環境整備も含め、緻密に録音演出は行われています。 また、感動的な作品も迫力のある作品も、適切な再生基準下でなければ感動や迫力が半減してしまいます。迫力のある作品は音量を上げれば迫力は増すかもしれませんが、お客さんによっては「ウルサイ!」と不快に思うかもしれません。「耳痛い!」とか。音量を下げれば迫力がなくなるのはわかりやすいですよね。 じゃあ、しっとりとした感動的な映画で音量を上げるとどうなるか・・・。おそらく「セリフも音楽も効果音も全部聴いて!」と押しつけがましい音になりますよね?いつの間にかフェードインしてくる音楽が、突如聞こえてくるようになってしまうとどうなるか・・・。人間は静かな音は聴きに行こうとする習性をもっているので、それによって作品にのめりこむこともできます。いわゆる「没入感」ですね。そこから感動が生まれたりします。 映画館も作品に込められた制作側の意図が観客に伝えられる様、日夜環境整備に気を遣われています。座席の座り心地なんかも含め。 イオンシネマ幕張新都心さんのDolby Atmos対応8番スクリーン Dolby社は「制作側の演出意図が、なるべく映画館の観客に伝わるように」さまざまな技術を提供してきました。その中には「人材」も含まれていて、有難いことに私もその一人としてDolby社の理念を受け、そして映画録音の諸先輩方、映画館さんに育てられてきました。多いときには年間100タイトル以上の映画の録音演出の場に携わってきました。 そんな私の経験値を、実際にコンテンツ(映画作品)を上映して音の状態を確認する際に、判断基準として必要としてくださって、映画館さんからお声をかけて頂く事があるんです。 「できるだけ良好な音を観客に!」ってことです。 サウンドコンサルタントという仕事柄、よく「良い音とは?」という質問を受けます。 その際私は「作り手側の演出意図が再現できている事です」と返答します。 この点は、色々なヘッドフォンやイヤフォン、DAP、ポタアン、ケーブルの組み合わせで音を楽しむポータブル・オーディオの世界の観点とは異なります。でも「良い機材」を選定することは一致していますね。 でも、どっちも楽しいお仕事なんで、両方好きです!!! ちなみに、Mitchell and Johnsonのヘッドフォンを取り扱いを決定づけたのは、ハイブリッド・ドライバーユニットが映画用の2Wayスピーカーに近く感じたからなんです。 だから、やっぱり私にとって「映画サウンド」は重要なんだと思います。 あと最後に・・・「最後のジェダイ」はぜひDolby Atmos上映を体験してください!
通常のサラウンド上映でも十分楽しめますが、Dolby Atmos上映は更に楽しめます! できれば違う音響フォーマットで観て、その違いを楽しんでください! |